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2016-02-15
公告が必要な場合を教えてください
【質問】
当社は株式会社ですが、会社法に定められている公告が必要な場合を教えてください。
【回答】
会社法は株主や債権者にとって重要な事実については公告を義務付けています。
公告には次の2種類があります。
(1)債権者に向けた異議申述等公告
債権者に対する公告は必ず官報で行わなければなりません。また、債権者に対して、個別に通知をする必要があります。ただし、個別通知については、定款上の公告方法が日刊新聞紙または電子公告である場合には、定款上の公告方法により公告を行えば個別通知は不要になります。なお、債権者異議申述公告には、最終貸借対照表の開示状況を記載する必要があります。
債権者に向けた異議申述等公告が必要となる場合は次のとおりです。
①組織再編行為
合併や分割といった組織再編行為を行う場合
②組織変更
株式会社から持分会社(合同会社、合名会社、合資会社)に組織変更する場合
③解散
会社を解散する場合
④資本金及び準備金減少
資本金及び準備金を減少させる場合、ただし、準備金のみを減少させる場合で一定の条件を満たせば不要
(2)株主等に向けた通知公告及び決算公告
株主等に対する通知は公告を行えば不要になる場合がほとんどです。ただし、公告は定款上の公告方法により行わなければなりません。したがって、定款上では日刊新聞紙や電子公告となっている場合に、官報で公告しても有効な公告とはなりません。定款に定めていない場合は官報に掲載することになります。
株主等に向けた通知公告及び決算公告が必要となる場合は次のとおりです。
①基準日設定
株主総会の議決権、配当、株式分割、株式割当等の権利を確定させるための基準日を設定した場合
②定款変更等
株券廃止(原則、公告・個別必要)、単元株式数の設定、株式譲渡制限の設定、全部取得条項設定、株式併合、株式分割、株式割当、株式募集等を行う場合
③組織再編行為
株式交換、株式移転、事業譲渡等を行う場合
④株券等提出(公告・個別必要)
株式の内容変更、組織再編、組織変更により株券等の提出を求める場合
⑤決算公告
事業年度終了後、決算が株主総会で確定した後、貸借対照表を公告する必要があります。
会社法上の大会社(資本金5億円、負債総額200億円以上)は貸借対照表に加え、損益計算書も必要です。なお、持分会社では決算公告は不要です。
《注意》決算公告については、中小企業のほとんどが行っていないのが実情ですが、100万円以下の過料が課されますので注意してください。なお、減資や組織再編行為等を行う場合には決算公告が必ず必要になります。
以上
※2014年9月5日作成
※作成日現在の法令にもとづき作成しています。